Windows VPNのメリット/デメリット 有料/無料VPNの紹介
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リモートワークやテレワークの拡大に伴い、遠隔地から社内システムに安全にアクセスできる VPN のニーズが高まりを見せています。 デスクトップパソコンやノートパソコンでは、Windows のシェアが7割以上占めていて、多くの人が Windows PC からリモートワークや公衆Wi-Fiへの接続を行っています。VPN を利用することで通信内容の漏洩防止など、より安全なネット接続を構築することができます。 このページでは、Windows で VPN を利用するメリット/デメリット、Windows で利用できる有料/無料の VPN などを紹介しています。
目次
VPN とは
VPN とは「Virtual Private Network」の略語で、日本語では「仮想専用線」を意味します。インターネット上に仮想の専用線を設定し、特定のユーザーが利用できる専用ネットワークが VPN です。 VPN は「トンネリング」「暗号化」「カプセル化」という3つの技術を用いて、安全にデータをやりとりすることができます。そのため、通信データの盗み見や盗聴を防止可能です。 VPN の使用により、業務で利用するシステムやNASなどに、何処から接続してもVPNサーバーを通しているので、固定化されたIPアドレスでのアクセスが可能になり、IPアドレスの制限が必要な場合にも利用されいます。
また、上図のようにVPNサーバーのIPアドレスが日本のものなら、海外からのIPアドレスを規制している、動画視聴やWebサイトなどのサービスも利用が可能になります。 現在、公衆Wi-Fiや自宅からのリモートアクセスなどで安全に通信するため、VPN のニーズがより高まっています。
Windows でVPNを利用するメリット/デメリット
WindowsでVPNを利用するシーンには、以下のようなものが考えられます。
- 自宅から社内システムにリモートアクセス
- ノートパソコンで公衆Wi-Fiに接続
- 海外からノートパソコンで日本国内のコンテンツにアクセス
VPN のメリット
メリット1 通信内容を暗号化してセキュリティ向上
リモートワークやテレワークが浸透するにつれて、社外や外出先、自宅から社内サーバーや社内システムにアクセスする機会が増えました。インターネットで社内システムに外部から接続するのは、情報漏洩などのリスクがあります。 そこで、VPNによる接続が求められるようになりました。 VPNを利用すれば通信が暗号化されるため、他者に盗み見られたり盗聴されたりする危険性がありません。社外から社内に接続する場合だけでなく、公衆Wi-FiからもVPNなら安全に接続することができます。 VPN接続を活用すれば、安全に通信データのやりとりが可能になるメリットがあります。メリット2 複数拠点に接続可能
VPNと比較される仕組みとして専用線があります。 専用線は自社のみで通信回線を独占するため、ほかのユーザーの影響を受けずに常に高速な接続が可能です。ただし、専用線には以下のような欠点があります。- 物理的な距離に比例してコストが上がる
- 拠点と拠点を一対一でしかつなげない
メリット3 導入コストが低い
VPNは導入コストが低いこともメリットの1つです。自社で独自のVPNを構築する場合でも、初期費用は数万円ですみます。 また、有料のVPNプロバイダを利用すれば、月額料金は1000円程度とリーズナブル。個人で導入できる点も大きなメリットです。メリット4 海外から日本のコンテンツにアクセス
海外の接続から、日本国内のネットコンテンツにアクセスできないことがあります。 一部の動画配信サイトやWebサイトは、海外のIPアドレスを規制しています。そのため、海外からアクセスすることができません。 たとえば、Netflixを海外で視聴しようとした場合、日本国内向けのコンテンツを見られません。そのほかにも、YouTubeは動画によって接続できませんし、Huluの場合はログイン不可となります。VPNを利用するば、この問題を解決できるメリットがあります。
これらの規制を回避するには、日本国内のIPアドレスから接続するしかありません。そのためには、VPN接続で日本国内のVPNサーバーを利用するようにしましょう。
メリット5 海外のネット規制を回避
海外ではインターネットが制限、監視されているケースがあります。 たとえば、中国では地方政府やインターネットプロバイダが検閲を実施。また、中国国内で規制されて接続できないコンテンツも多いです。一例を挙げるならLINEやTwitter、YouTube、Facebook、Instagram、Googleに中国国内からはアクセスできません。 これらの規制を回避するためには、VPNで接続するのが有効です。VPN接続することで海外のネット規制を回避するメリットがあります。VPN のデメリット
デメリット1 速度が低下
VPN接続はVPNサーバーを通して行われます。 VPNサーバーを中継すると、どうしても通信速度の低下が起こります。くわえて、セキュアな通信を行うために、VPNでは通信を暗号化することが避けられません。通信を暗号化するとパケットが肥大化し、通信データが増加します。 さらに、VPNサーバーに多くのユーザーが接続すると、接続の共有量がオーバーして通信速度が低下することがあります。 特に無料VPNでは、一台のVPNサーバーの共有量が多くスペックも低いため、通信速度の低下が頻繁に発生するデメリットがあります。 通信速度を低下させたくないなら、高品質なVPNサーバーを設置している有料VPNの利用を推奨します。デメリット2 情報漏洩のリスクがすべてなくなるわけではない
VPNは高いセキュリティを誇り、安全な通信を確立します。しかし、完全に情報漏洩のリスクがなくなるわけではありません。 たとえば、無料のVPNはセキュリティが甘いことがあります。「通信が暗号化されていない」「ログデータが保存されている」といった場合、情報漏洩するリスクのデメリットがあります。 情報漏洩のリスクを限りなくゼロにしたいなら、ノーログポリシーを謳っている有料VPNを利用するようにしてください。デメリット3 VPN(無料)は制限がある
無料VPNはコストゼロで利用できますが、いろいろな制限があります。- サーバー数やロケーション数(国数)が非常に少ない
- 無料のデータ通信量が制限されている
- 速度が遅く接続が不安定
- 動画配信サービスが視聴できない
有料VPNと無料VPNの違い
上記 VPNのメリット/デメリットでも紹介しているように、Windowsで利用できるVPNには、以下のように有料VPNと無料VPNがあり、それぞれ特徴が違います。■ 有料VPNの特徴
- 暗号化のセキュリティレベルが高い
- ノーログポリシーで情報漏洩のリスクが少ない
- 信頼性の高いプロトコルを採用している
- 月額料金は一般的に1000円程度
- 通信量や帯域幅が無制限
- 高速で安定した通信
- サーバー数やロケーション数が豊富
- Windows用のアプリがある
- アプリで初期設定が簡単
■ 無料VPNの特徴
- 暗号化のセキュリティレベルが高い
- ノーログポリシーで情報漏洩のリスクが少ない
- 信頼性の高いプロトコルを採用している
- 月額料金は一般的に1000円程度
- 通信量や帯域幅が無制限
- 高速で安定した通信
- サーバー数やロケーション数が豊富
- Windows用のアプリがある
- アプリで初期設定が簡単
「VPNを試してみたい」「コストゼロでVPNを使いたい」という人には無料VPNがおすすめ。「本格的にVPNを活用したい」「快適にVPNを使いたい」なら有料VPNを推奨します。
Windows で利用できる有料 VPN 5選
ここでは、Windowsで利用できる有料VPNを5つ紹介します。NordVPN
NordVPN は、2012年に設立されたVPNプロバイダです。
1 NordVPN の特徴
- サーバー数5500以上、ロケーション数60カ国以上
- 通信速度が速い
- 同時接続できるデバイスが6台
- 暗号化強度が高くしっかりとセキュリティができる
- ノーログポリシー
- 月額料金が安くリーズナブルに利用できる
- Windows用のアプリが提供されていて、初期設定が簡単
2 ExpressVPN の特徴
ExpressVPN は、イギリス領ヴァージン諸島の企業であるExpress VPN International Ltdが提供しているVPNサービスです。
ExpressVPN
- VPNプロバイダの中で最高クラスの通信速度
- 軍用レベルの高いセキュリティ
- 94カ国に3000台以上のVPNサーバーを設置
- ノーログポリシー
- 対応デバイスが豊富でWindowsにも対応
3 Millen VPN
Millen VPN は、月額360円から使える国産のVPNプロバイダです。
Millen VPNの特徴
- 1つの契約で10台のデバイスを同時接続できる
- 月額360円からと非常にリーズナブル
- 74カ国に1300以上のサーバーを設置
- ノーログポリシー
- 国産VPNなのでサポートが日本語で安心
4 Surfshark
Surfshark は、オランダにあるVPNプロバイダです。
Surfshark の特徴
- 1つの契約で同時接続できるデバイスが無制限
- ノーログポリシー
- 365日24時間サポート
- 広告やマルウェアを削除
- 強力なセキュリティ機能
5 AtlasVPN
AtlasVPN は、2019年に設立された新しいVPNプロバイダです。
Surfshark の特徴
- 1つの契約で台数無制限に同時接続可能
- VPNプロバイダの中でトップクラスに価格が安い
- 無料プランも提供している
Windows で利用できる無料 VPN 3選
ここでは、Windowsで利用可能な、無料プランのあるVPNを3つ紹介します。1 ProtonVPN
ProtonVPNは、スイスで2017年に設立されたVPNプロバイダです。 無料VPNは一般的に通信制限がありますが、ProtonVPNには通信制限がありません。サーバーはオランダ、アメリカ、日本の3カ所が利用できます。セキュリティの強度も高く、安心して接続することが可能です。 通信速度の低下も少なく、無料VPNの中ではもっともおすすめのサービスです。ただし、無料プランでは動画配信サービスに接続することができません。
2 Windscribe
Windscribeはカナダに拠点を置くVPNプロバイダです。 Windscribeは優れたセキュリティ強度と、同時接続数無制限という特徴があります。無料VPNですが通信速度は高速で、動画配信サービスにアクセスすることも可能です。 無料版では10カ国、15カ所のサーバーに接続できます。通信制限も毎月10GBまでとかなり大容量。無料プランでも広告やマルウェアのブロック機能を利用できます。 無料VPNで動画配信サービスをスムーズに活用したい人におすすめです。
3 hide.me
hide.meはトレントと利用する場合には便利な無料VPNです。 無料VPNにしては通信速度が高速で、ファイルのダウンロードもスムーズに行えます。毎月10GBまで利用できる大容量。また、日本語にも対応しているため利用しやすい無料VPNです。 NetflixやHulu、Amazon Prime Videoなどの動画配信サービスにもアクセス可能。無料プランでは5カ所のサーバーに1台のデバイスで接続できます。 ファイルのダウンロードや、動画配信サービスの視聴に向いている無料VPNです。
VPN 利用のまとめ
VPN とは仮想専用線のことで、「トンネリング」「暗号化」「カプセル化」といった技術によって成り立っています。 Windows でVPNを利用するメリットは「セキュリティの向上」「導入コストが安い」「海外から日本のコンテンツにアクセスできる」などです。 多くのVPNプロバイダはWindows用のVPN接続アプリを用意しています。VPNの専用アプリを利用すれば接続できない問題もほとんど無く、簡単にVPNに接続することが可能です。 Windows PCを、安全かつ快適にインターネットを利用するなら、VPNを活用をするのがよいでしょう。スポンサーリンク